法 話
恐れない心
師子王は百獣に怖じず
日蓮大聖人ご遺文「聖人御難事」
みなさん「師子王」とは何を想像されるでしょうか?
多くの方は「ライオン」を想像されたかと思います。百獣の王ライオンは他の動物達に怖気ずに、毅然とした姿で百獣の頂点に君臨しています。
お釈迦さまは35歳で悟りを開いた後、45年間に亘り教えを説かれて来られました。この45年間の間に説かれた教えの時期によって様々な教えがまとめられ、膨大な数の経典が作成されこれら総称して仏典といいます。
この、多くの教えがまとめられた経典でありますが、唯一法華経にのみお釈迦さまご自身が「私は仏道をもって無量の国土において初めから今日に至るまで広く諸経を説いてきた。しかしその中においてこの法華経が第一である」と。さらには「この法華経もまた、帝釈が三十三天の中において王であるようにこの法華経が諸経の中の王である」とおっしゃられているのです。
非常に難しく、急に信じることが困難であるお釈迦さまの一番に伝えたかった教えを説く為に、前段階として色々な教えを説いてきたが、この法華経こそが最も大切であり、諸教を百獣と例えるならば法華経こそが百獣の王である師子王なのです。
このお釈迦さまの1番大切な教えである法華経、そして法華経の功徳を頂ける「南無妙法蓮華経」のお題目を信じて唱える者は、必ずやお釈迦さまや諸天善神からのご加護を頂けるのです。
信じるとは、何も疑わずに信じること。まさに赤ちゃんがその味を知らずに母親のお乳を飲み栄養を頂き命を繋ぐ事と同じように、法華経・お題目を信じれば、母から我が子への慈愛と同じくお釈迦さま・諸天善神からのご加護が頂けるのです。
世界情勢や経済、異常気象や新たなる病気等々、現代を生きる私たちは様々な不安を抱えながらに日々の生活をしています。時には不安に駆られ何を信じてよいのか、また暗く長い困難の先には光があるのか疑ってしまう時もあります。
その様な時こそ、今一度今月の聖語のお言葉を思い出しましょう。法華経・お題目を信じる私たちには必ずやご加護が頂けるのです。師子王の如く困難に怯まず、自身に自身を持って明るい未来へと進んで行きましょう。