法 話
思い切りよく進む為に
今月の聖語
春の訪れを華やかに彩っていた桜もすっかりと葉桜となり、木々の葉をいっそう青々と濃くさせる季節。青梅雨の訪れと共に紫陽花が美しさを増す時期です。花の移り変わりと同じく、私たちも桜とともにスタートした新年度から2ヵ月程が経ちました。学校や職場や役職、または人間関係など色々な環境に変化に、最初は戸惑っていた皆さんも、少しづつその環境に慣れてきたころではないでしょうか?
新たな環境に慣れてくると同時現れるのは、期待や希望と同時に、不安や悩み・苦しみです。私たちは自分の思い描く良き未来へと進むためには、種々の決断をしなくてはならないのです。時には、環境が一変してしまうような決断をしなければならない時もあります。
様々な決断をする時、思い切りよく決断できるにこしたことはありません。しかし迷いが生じて、煮え切らないこともあります。気持ちの整理がつかず混乱し、時にはやる気や元気を失ったりします。そんな時、皆さんならば何を基準に判断をしていますか?
表題の「各々思い切り給え」。日蓮大聖人は財や名誉をかえりみず、その命を賭してまで突き進んだ道はお題目を弘める事でありました。それは、多くの人々を救いたいとの生涯揺るがぬ信念のもと進んだ道であります。
時勢や環境に左右され、自分自身の考えや信念を忘れ突き進んでしまった後、「なんであの時こうしなかったのか」と後悔してしたことが私には何度かあります。
悩み迷い判断が難しい時は、一度立ち止まり冷静になって初心にもどり、自身の信念や想いが何であったか。また、その決断が本当に良い事なのかを見つめなおしてみては如何でしょうか。
揺るがぬ信念のもと、本当に良いと考える道を思い切り歩んだ先には、花々のように人々の心を惹きつけ笑顔をもたらし、その信念は種となり多くの人々の心に芽生える事でしょう。