法 話
2021-12-31 23:42:00
幸多き1年の秘訣
燈は油をさせば光を増し、草木は雨ふればさかう、人は善根をなせば必ずさかう。 【上野殿御返事】
明けましておめでとうございます。本年が皆様にとって幸多き一年となりますようお祈りいたします。
昨年を振り返り、私が真っ先に思い出したのは東京オリンピックである。一日何時間にもおよぶつらい練習、コンマ数秒のタイムを削るため、あるいはより美しい演技のため、あるいは1mmでも遠くに飛ぶため、およそ私たちが普段の生活では意識したこともないようなところにまで神経を研ぎ澄ませた努力が実を結んだ瞬間があのオリンピックの舞台である。選手達の真剣な眼差しや躍動する姿はキラキラしていて、まさに光り輝いてみえた。
努力なしではあの舞台にはたてない。私たちが思い描く「幸多き一年」もそうだ。
日蓮大聖人は、人は良いことをすれば必ず栄えると指南されている。善は種となり、根っことなる。まずは種をまき、大地に根をはろう。根っこが伸び、芽が出て生長し、花がさき、やがて果実がみのる。私たちの種は、他を思いやり、慈しむことで根をはり、芽吹き生長する。植物のように目に見える果実になるのはいつになるかわからないが、人の内面は日々様々に成長していく。だからこそ、長い目でみて、怠らずに意識し、行い続けることが大事である。意識はやがて習慣となり、習慣は人生という果実を実らせる。
1年は1日の積み重ね、1日は現在(いま)の積み重ねである。現在(いま)を大切にし、善い行いを積み重ねることで人としての魅力がまし、キラキラと輝きを放つ。そんな素敵な人になれるよう努力する1年なら、それこそ素敵な1年に違いない。